まず、沖積平野の例から説明します。 (1)沖積平野の例 沖積層でも、比較的側方連続性の良い海成層(内湾性)の場合、例えばここでは砂や砂礫などが鍵層となるので、地層の分布が容易に推定できます。 また、沖積層は今から1 万年以内であるため、概ね水平な堆積を示し、傾斜もごく僅かなものです。 これは、2名(当社技術職員と女性事務員)に作成して頂いた断面図ですが、特に相違はありませんでした。 (2)山麓の例 一方、山麓部は、個人差(経験や知識、思想等)による断面図の相違があるため、地質情報に3つの環境を設定しました。 1つめは、 ・地形断面、柱状図(土質記号・N値のみ) 2つめは、 ・補足調査、露頭状況、地形情報の付与 3つめは、 ・地質履歴の付与 です。この地質履歴とは、調査箇所が現在に至るまで、どのような変遷をたどってきたか・・・例えば、堆積→浸食、造成といったものです。
ここでは、箱根山麓と愛鷹山麓の2 つの例を挙げます。 なお、ここから先で示す断面図は、情報量による断面図の相違に客観性を持たせるため、引き続き、調査の内容を把握していない当社技術職員と女性事務員に協力して頂きました。 (2)箱根山麓の例 1箇所目ですが、箱根火山の西山麓です。 こちらの図は、箱根山の調査地周辺の航空写真です。 この地域で最も問題となったのが、造成による人工的な地形改変が大規模に行われていたことです。 これは造成前の航空写真、この図では尾根部を黄色に、谷部を水色で示しています。
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